
昔買って読まずにいたのでね…。
まず、書名「天国と地獄」についてだけれど、あの世の風景の描写というより、心理的な表現として描かれてあるのかなと感じました。
そして「霊とか死後の世界は存在するの?」という疑問がモコピッチにはあったのだけど、
読み進めていくと、それを信じる・信じないは置いといてもいいんじゃないか、と次第に思い始めました。
たとえ読者が無神論者だとしても、自分の人生について反省したり、これからどう生きるかを考えさせてくれる素材を提供してくれている本なのではと思いました。(そして訳者も、あとがきにそのような意味のことを書いていると思います。)
この本の7割くらいが交霊儀式の記録、実例紹介を占めています。
交霊とは、著者が霊と親和性のある「霊媒」と呼ばれる同志の体に霊を呼び込みます。(その時霊媒となった人の意識は、催眠状態のようになっているのでしょう。)
そして今の心境や現世へのメッセージ、生きていた頃の話などを、霊媒を使って筆記させたり、または話させたりします。
霊界についてわたしの拙い解釈だと…
・神・霊・魂は物質ではない。
・人間は肉体と魂で構成されていて、死後に分離する。(肉体は消滅し、魂は消滅せず霊界に行く)
・現世で生まれ変わってもう一度人間として生きたり、霊界でしばらく生活したり…を何度も繰り返す(転成輪廻)。
・善い行い、善い心でいることでレベルアップをしていき、最終的に天使になることが目的。
・…このような魂のシステムおよび宇宙・地球世界の全てを全能の「神」が作った。
なので、今の人間の形をした80数年の人生とは、この壮大な構造の一時期に当たるのだ、と…。
霊の存在については、読後でもどうなのかな〜?という思いなのですが、
霊達が表現している世界の描写が、人間の心の状態に置き換えて見えてきて、
例えば
・悪い事をすればその罪悪感が一生ついてまわるし、(悔い改めなければ、それは死後も変わらず恐怖に襲われるという)
・不平を言わず人のために生きられる人は幸福であり、(そういう人は死後、光と愛に満ちた世界へ速攻で到達するらしい)
生前も死後も同じなんだという仕組み。
その点で魂のルールは全く公平なんだということ。
私利私欲に生き、ツケを後代に回しておさらばするような逃げは絶対にできないということ。
考え・信仰により人それぞれ真理は違うでしょうが、
少なくともこの世で生命ある人類は共通して、心の仕組みはみんな同じなのかな。
「おてんと様が見ている」という言葉があるけど。
…ちゃんとやんなきゃなー と思った;。
(出版社名に抵抗を持たれるかもしれませんが、内容はその宗教を勧めるものでは全く無いです)